むくみの原因と解消
むくみの原因は様々です。また手・足・顔などむくみが起きる部分も多くあります。ここではむくむ原因からその解消法をご紹介します
むくみの種類
むくみは、部分的に現れる場合と全身のあちこちに現れる場合があります。むくみを考えるときには、まず、それが「A.」全身のあちこちに生じているものなのか、それとも「B.」身体の一部にのみ現れているか、を見分けます。
Aの場合は、次ぎに、そのむくみが1.体位に関係があるのか、2.体位に関係がなく起こっているのか、を確認します。むくみは、体内の水とナトリウムが過剰になった状態であることから、そのたまり方には重力が影響するからです。体位に関係がある場合、立っていると足に、横になっているときには背中などにむくみが生じるという状態を言います。Aの場合に疑われるのは次の病気です:
「A.」全身に生じるむくみ
1.体位に関係がある
●うっ血性心不全
●急性心膜炎
●急性心糸内膜炎
●ネフローゼ症候群
2.体位に関係がない
●肝硬変
●妊娠
Bの場合は、1.血管が浮き上がっているか、2.浮き上がっていないか、が次ぎの確認ポイントとなります。この場合、血管というのは、静脈を意味します。Bの場合に、疑われる病気をあげてみます:
「B.」身体の一部分に生じるむくみ
1.静脈が浮き出ている
●下肢静脈瘤
2.静脈が浮き出ていない
●静脈血栓症
むくみという場合、普通、指で押すとへこんで、すぐにまた元の状態になります。これを圧痕といいます。ただし、甲状腺機能低下症などのむくみの場合は、押してもへこみません。このように一概に「むくみ」といっても、いろいろありますし、その原因もさまざまですから、簡単に考えることは禁物です。医師の判断を受けることが大切です。
むくみ(浮腫)の好発部位
むくみというのは、体内の水とナトリウム(食塩)が過剰になった状態です。むくみは全身のあちこちに現れる可能性があります。また部分的に起こる場合もあります。
したがって、むくみという場合、それが全身に起きているのか、それとも局部的なものであるかをまず確認することが大切です。
局部的なむくみは、血管、この場合、静脈が、浮き上がっているかをチェックします。皮膚の色はどうでしょうか。むくんでいる場合、通常、指で押すと、へこんだ跡が残ります。これを「圧痕」といいます。これはすぐにまた元にもどります。しかし、一部、甲状腺機能低下症などによってむくみが生じている場合は、押してもへこみません。
一方、全身的なむくみの場合は、重力の影響を受けますので、それが体位に関係するかどうかを確認します。全身のあちこちにむくみを起こすものとしては、心臓や腎臓、肝臓の疾患や、内分泌機能障害があります。また、低栄養の場合にもむくみが出ます。女性では、月経前にむくみが出る人がいます。その他、はっきりとした理由がなくむくみが出ることがあり、これを「突発性浮腫」といいます。
むくみの起こりやすい部位を「好発部位」といいます。それぞれの部位別に、疑われる病気や原因をあげてみます。
*身体正面
顔
●月経前
●ステロイド剤などの影響
まぶた
●ネフローゼ症候群の初期
●急性糸球体腎炎
おなか
●肝硬変
●慢性腹膜炎
●慢性収縮性心膜炎
足
●うっ血性心不全
●妊娠
●脚気
●下肢静脈瘤
●深部静脈血栓
*身体の背面
背中
●うっ血性心不全
●急性心膜炎
漢方医学とむくみ(浮腫)
漢方医学では、「気・血・水」という3つの観点から、身体のどの機能が病気に犯されているかを考えます。
たとえば、漢方医学の観点から「のぼせ」や「めまい」「頭痛」といった症状を考えると、それは「気」という目に見えないエネルギーの流れが身体内でとどこっているからである、ということになります。そのため気の流れを正常にもどすことが治療となり、順気剤を用います。
「頭重感」や「手足のしびれ」「月経異常」は、「血」のとどこおりです。漢方医学でいう、「血」とは、血液とホルモンです。血が滞った状態が「お血」です。駆お血剤が用いられます。
一方、「むくみ(浮腫)」「呼吸困難」「尿の異常」といった水分代謝の不調は、「水」の滞りです。漢方医学における水とは、体液のことです。水毒は、体液が身体の一部に偏り、水分がうまく代謝できなくなった状態です。利水剤という漢方薬群が用いられます。
具体的に、むくみ(浮腫)についてどのような漢方薬が使われるかは、その人それぞれによって異なります。一般的にですが、たとえば、肝炎のむくみ(浮腫)の場合、体力が普通程度にある人には「インチゴレイサン」や「サイレイトウ」が処方されます。慢性関節リウマチの場合のむくみ(浮腫)は、肥満傾向のある人の場合、「ボウイオウギトウ」が用いられます。体力が中程度の人に用いられる「ソケイカツエツトウ」は、利水・駆お血剤が配合されており、血と水の流れを良くする作用があります。